探偵と弁護士の違いは?探偵に許されている行為や非弁行為などについて解説!
浮気調査や人探しをする時に、心強い味方になってくれるのが探偵です。
様々なトラブルを抱えている人達の問題を解決するために、探偵業を営んでいる人もいるのではないでしょうか。
トラブルが起こった時に相談する相手というと、探偵以外にも弁護士がいます。今回は探偵と弁護士の違いや、非弁行為について、弁護士と連携をとることの重要性などを解説していきます。
探偵と弁護士の違いとは?
持っている資格の違い
探偵と弁護士の大きな違いは、持っている資格です。弁護士は司法試験に合格して、国家資格を取得しなければなりません。資格がなければ、弁護士になることはできないということです。
一方探偵は、必ずしも必要になる資格はありません。そのため、届け出さえしてしまえば誰でも探偵になることはできます。
しかし、調査能力など探偵に必要なスキルがなければ、探偵業を営むことは難しいでしょう。そのため、一般的には探偵学校に通って知識やスキルを学んだり、探偵事務所に勤めて経験を積んだ上で開業するというのが一般的です。
対応できる法律の範囲の違い
探偵と弁護士では、対応できる法律の範囲が変わってきます。
国家資格を持っている弁護士は、簡易裁判所や最高裁判所で行われる裁判において、依頼者の代理人として行動することができます。他にも事件やトラブルが起きた時の和解交渉の代理、被告の弁護、慰謝料請求など弁護士にだけ許されている業務は様々あります。
資格を保有していない探偵は、依頼者の代理人になったり、慰謝料の請求をしたりすることはできません。弁護士にのみ許されている業務を探偵が行ってしまうと、法律違反となり罰せられてしまうため注意が必要です。
非弁行為とは?
非弁行為に関する弁護士法
弁護士の資格をもっていない人が、弁護士業を商売として行うことを非弁行為と言います。これは違法行為に当たり、弁護士法の72~74条で厳しくルールが決められています。72条は、弁護士ではない人が法律事務の取り扱いなどを行うことを禁止するものです。
あくまで報酬を得る目的を持って法律事務を行う場合のルールなので、報酬を得なければ72条に違反することはありません。
73条は他人から譲り受けた権利の実行を禁止するもの、74条は弁護士のふりをすることや、紛らわしい標示を禁止する法律となっています。
非弁行為の具体例
労働者に代わって、会社に対して退職の意思表示を行うサービス「退職代行業者」が多くなっています。
しかし、弁護士の資格を持たないものが法律事務を行うのは非弁行為に当たります。そのため、業務内容次第では違法になる可能性があるため注意が必要です。
具体例としては、退職金の金額の交渉や退職日の調整などを労働者に代わって行う行為や、退職する際に未払いになっている残業代を請求する行為などは、違法になる可能性が高いです。
浮気調査を受ける場合は?
証拠がなければまずは探偵の範囲
探偵は、裁判を行う際に用いる証拠集めなどを行うことが多いです。
しかし、資格を持っていない探偵ができることはある程度限られています。探偵ができる証拠収集は、主に「張り込み」「聞き込み」「尾行」の3つです。
これらは法律で許されている行為なので、探偵が行っても問題ありません。張り込みや尾行などを行い、浮気の証拠となる写真や映像を撮れば警察や裁判で使用できます。
法的処置をとる場合は弁護士の範囲
慰謝料請求や離婚調停などを行うために、浮気調査を依頼されるケースも少なくありません。証拠集めは探偵でも行うことができますが、実際に法律的な手続きを行うのは弁護士の範囲になります。
探偵では依頼者の代理人になることができないため、弁護士などの代理人がいると楽です。探偵に証拠集めを依頼する場合、依頼者は裁判を起こそうと考えていることも多いです。探偵だけでは依頼者の要望にすべて応えることができないため、代理人がいると様々な業務をスムーズに進められます。
連携をとっている探偵と弁護士もいる
探偵だけではできる業務が限られているため、弁護士と連携をとっている探偵も多くいます。弁護士と連携しておけば、依頼者から慰謝料の請求をしたいと相談された時などに対応しやすくなります。
依頼者からすると、探偵とは別に相談できる弁護士も探さなければならないというのはかなりの手間です。弁護士と連携している探偵であれば、依頼者も相談しやすくなるでしょう。
中には弁護士が開いている探偵事務所もあります。法的処置をとることができる弁護士と、裁判などで必要になる証拠集めを得意とした探偵は、切っても切り離せない関係です。探偵業を営むためには、しっかり弁護士と連携がとれる体制を整えておくことも大切です。
探偵に許されている業務を理解しておくことが大切!
探偵業を営む時は、弁護士との違いをしっかり理解しておかなければなりません。
万が一弁護士にしか許されていない行為を探偵が行ってしまうと、非弁行為となり罰せられてしまいます。
探偵にできること、弁護士にできることを理解し、上手く連携をとることが大切です。いざという時に代理人を任せられる弁護士がいれば、探偵業も営みやすくなるでしょう。