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公開日:2023.11.10 最終更新日:2023.12.06

探偵と個人情報保護法の関係性とは?調査できる範囲と違法になる調査方法を紹介

「探偵と個人情報保護法の関係性は?」「探偵業法で定められた個人情報の調査方法は?」

探偵は依頼者や対象者の個人情報を取り扱うため、法律の規定にしたがって調査を行う必要があります。探偵業は個人情報取扱事業者に該当しますが、規定を無視して調査を進めてしまうとトラブルの元となるため注意が必要です。

本記事では、探偵と個人情報保護法の関係性について詳しく解説します。探偵業法で定められた方法だけでなく、違法行為に該当する個人情報の調査方法をまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。

目次

探偵と個人情報保護法の関係

探偵と個人情報保護法の関係

探偵業界では、個人情報保護法の重要性が高まっています。探偵は依頼者や対象者の個人情報を取り扱うため、法律の規定に従って情報の適切な管理と利用が必要です。

ここでは個人情報保護法の基本的な内容と、探偵業がどのように関連しているかを詳細に説明します。

個人情報保護法とは?

個人情報保護法は個人のプライバシーを守り、個人情報の適切な取り扱いを確保するための法律です。個人の権利利益を保護することを目的とした法律で、氏名や住所、電話番号といった個人を識別できるものを「個人情報」と定義しています。

個人情報保護法は個人情報を取り扱う事業者に対して、以下の義務を課しています。

  • 個人情報の取得や利用、提供の際にはあらかじめ本人の同意を得ること
  • 個人情報の漏えい、滅失、毀損の防止措置を講じること
  • 個人情報​​の苦情や相談に迅速かつ適切に対応すること

個人情報保護法の違反があった場合、損害賠償の請求や行政処分、懲役といった措置が取られるため注意が必要です。

参考:個人情報の保護に関する法律|e-GOV

探偵業は「個人情報取扱事業者」に該当する

探偵業は依頼者や調査対象者、その他関係者の個人情報を取り扱うため「個人情報取扱事業者」に該当します。個人情報取扱事業者とは、個人情報データベース等を活用している事業者という意味合いです。

個人情報取扱事業者は個人情報保護法に基づき、取得した個人情報の管理や利用、提供について厳格なルールを守る必要があります。例えば、依頼者から受け取った情報や調査活動を通じて得た個人情報は、無許可で第三者に提供したり不適切な利用は許されません。

個人情報保護法は、個人のプライバシーを守ることを目的とした法律であり、探偵業務にも適用されます。そのため、探偵業は個人情報保護法と探偵業法の両方の規制を遵守しなければなりません

探偵業法で定められた個人情報の調査方法

探偵業法で定められた個人情報の調査方法

探偵業法では探偵が行う調査活動において、どのような方法が許されているかが明確に定められています。個人情報の取り扱いに関しても規定があるため、調査時には注意が必要です。

探偵業法で許されている主要な調査方法は以下の通りです。

  • 聞き込み
  • 張り込み
  • 尾行

それぞれ詳しく解説します。

聞き込み

「聞き込み」は探偵が調査対象者の関係者や周囲の人々に対し、対象者の行動や性格、関係者との交流について尋ねる調査方法です。

聞き込みによって対象者の居場所や活動、関係者との関係など、多くの有用な情報を獲得できます。

しかし、聞き込みを行う際には情報提供者のプライバシーを尊重し、不必要な個人情報を収集しないよう注意が必要です。また、提供された情報の真偽を確認するため、複数の情報源から情報を収集して照らし合わせる作業も必要となります。

張り込み

「張り込み」は探偵が調査対象者の住居や勤務先、活動場所近くで待機して対象者の行動を観察する調査方法です。

張り込みにより、対象者の日常の行動パターンや交流している人物、頻繁に訪れる場所などを把握できます。

しかし、張り込みは対象者のプライバシーを侵害する恐れもあるため注意しましょう。また、公共の場で張り込みを行う際には、対象者に気付かれないよう慎重に調査を行う必要があります。

尾行

「尾行」は探偵が調査対象者を追跡し、対象者の動きを観察する調査方法です。尾行によって、対象者が「どこに行ったか」「誰と会ったか」「何をしているか」を把握できます。

尾行は対象者の行動を直接観察するため、非常に効果的な調査方法です。しかし、尾行も張り込みと同様、対象者のプライバシーを尊重して不必要な侵害を避けるための注意が必要となります。

また、尾行中に対象者に気付かれないよう、探偵は高い技術と経験が求められます。

条件付きで認められた探偵の調査方法

条件付きで認められた探偵の調査方法

探偵が行う調査方法には、法律や倫理的な観点から条件付きで認められている方法があります。例をあげると以下の方法です。

  • データ調査
  • 写真撮影
  • SNSやブログからの情報収集

上記の調査方法は、適切なやり方で行わないとトラブルに発展する恐れもあるため注意が必要です。それぞれ詳しく解説します。

データ調査

データ調査とは、公開されているデータベースや名簿を利用して情報を収集する方法です。調査できる情報例として、企業の登記内容や不動産の所有者リストなどが該当します。

中には公にアクセスできる情報もあるため、探偵の利用が許されています。ただし、収集した情報の利用目的や管理方法には注意が必要であり、個人情報保護法などの規定を遵守しなくてはいけません

写真撮影

写真撮影は探偵が証拠を収集するために行う調査方法です。調査対象者に見つからないように撮影をすると「盗撮」と判断する人もみられますが、探偵は撮影が認められています。

例えば、不倫の証拠を押さえる際に対象者の行動を撮影するのは問題ありません。ただし、撮影は公共の場で行われることが多いため、対象者だけでなく第三者のプライバシーを侵害しないよう注意が必要です。

SNSやブログからの情報収集

SNSやブログからの情報収集は、探偵が行う調査方法の1つです。ネット上に投稿されている情報は誰でも閲覧可能となっているため、探偵の利用が許されています。

また、SNSやブログからの情報収集は調査対象者の行動を把握しやすく、調査コストを抑えやすい点がメリットです。ただし、収集した情報の利用目的や管理方法には注意が必要で、個人情報保護法といった規定の遵守が求められます

探偵が行うと違法になる個人情報の調査方法

探偵が行う調査方法の中には、法律に違反するものもあります。例をあげると以下の通りです。

  • 携帯電話やパソコンを盗聴・盗撮する
  • クレジットカードの利用履歴を不正に取得する
  • 自宅に侵入して個人情報を取得する

対象者の同意なく、プライバシーを侵害するような方法で情報を収集する方法は違法です。また、不正な手段を用いて個人情報を収集する方法も違法とされています。

探偵が違法な方法で情報を収集した場合、証拠は無効となるだけでなく、法的な責任を問われる可能性があるため注意が必要です。

まとめ

探偵は依頼者や対象者の個人情報を取り扱うため、個人情報保護法に気をつけながら調査を行う必要があります。ただし、調査を進める際には法律に気をつけるだけでなく、探偵同士で連携をとりながら調査を行うことが大切です。

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自社に足りない部分を補ってもらう形で捜索を進めれば、よりスムーズな調査が期待できます。